ネスカフェ紛争。タイ裁判所、ネスレの資産管理者任命を却下。地元有力者に有利な判決。

インスタントコーヒーでお馴染みの「ネスレ」が、2021年に「クオリティ・コーヒー・プロダクツ社(QCP)」との契約を終了したことから始まったこの対立は、国際仲裁機関により、契約終了日が2024年12月31日であると正式に認定されています。

契約終了以降、両者の株主間でQCPの今後の事業運営について合意に至らず、2025年を通して法廷闘争が続いている状態となっています。

ネスレは、QCPの資産管理のために「グラント・トーントン・スペシャリスト・アドバイザリー・サービス社」を指名しましたが、この度、バンコク南民事裁判所はこれを却下しました。

裁判所の判断内容

①中立性の欠如: グラント・トーントンはネスレ側のみから接触を受けたことが判明。
②経験不足: 企業再編の経験はあるものの、深刻な株主紛争の管理経験がない。
③外部管理者の任命は現時点では不適当。

裁判所の命令

対立側の取締役に対して、2025年3月より毎月15日までに財務報告書を裁判所に提出するよう命令。

 内容:収入・支出、資産・負債の詳細。

 報告書はネスレ側にもコピーを提出。

この一連の判断により、マハギッシリ家側がQCPの経営を引き続き主導し、タイ市場向けのネスカフェ生産を継続できる見通しが立ったと報じられています。

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