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知らなきゃ後悔! 飛行機事故で生死を分ける座席選び。専門家が語る「生存率を高める3原則」。
- 2025/6/14
- もっと知りタイランド

飛行機事故のニュースが報道されるたびに、多くの人が航空機での移動に不安を感じ、「飛行機ではどの席に座るのが最も安全か?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
航空機は事故発生率の面から世界で最も安全な交通手段のひとつとされていますが、いざ緊急事態が発生した場合には、逃げ場がなく大惨事となってしまいます。
その時生死を分けるのは、座席の位置にあるかもしれません。
エアインディア機墜落事故、294名死亡、生存者1名のみ
2025年6月12日、エアインディア機(乗客242人搭乗)が離陸直後に墜落し、医科大学の寮に激突しました。
少なくとも294名が死亡し、生存者1名のみという大惨事となりました。
これはこの10年間で最悪の航空事故であり、ボーイング787型機としては初の大規模事故で、世界中に衝撃を与えました。
航空事故は稀だが「座席位置」が生存に影響する
オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学の航空研究者、チャン・ルン・ウー准教授によりますと、「飛行機の死亡率は自動車よりもはるかに低い」というデータがある一方で、事故が起きた場合には、座席位置が生存率に影響を与えると述べています。
米国家運輸安全委員会(NTSB)の統計によれば、2001年〜2017年の航空事故で、生存率は約94%と高く、商業航空機での致命的事故の発生確率は1/1370万に過ぎません。
「ゴールド3原則」:後方席・通路側・非常口付近
多数の事故例と専門家の見解をもとにしますと、「後方席」「通路側」「非常口付近」が、生存率を高める3つの鍵とされています。
● 2024年のチェジュ航空機事故
韓国・務安空港で、着陸中に滑走路から外れてコンクリート壁に衝突し、179人が死亡。
生き残ったのは後方に座っていた乗員2名のみ。後方だけが機体の形を保っていたため、生存できたとされます。
● 過去の事例:日航123便(1985年)やトランスアジア222便(2014年)
どちらのケースでも、生存者の多くは後方座席にいたことが共通しています。
アメリカ連邦航空局とTIME誌の統計
1971年以降の航空事故データを分析すると:
・後方座席の生存率:約69%
・中央席:約56%
・前方席:約49%
この差は、最大で20%にも及ぶことがわかります。
翼の周辺も比較的安全
チャン准教授によれば、翼の根元付近は構造的に強く、非常口にも近いため避難しやすいという利点があります。
ただし、翼の下には燃料タンクがあり、火災のリスクもあるため注意が必要です。
「90秒以内の脱出」が生死を分ける
ノースダコタ大学の航空安全研究者、ダニエル・グワジー・アジェイグム氏は、「事故後90秒以内の脱出が命を救う」と警告しています。
そのため、乗ったらすぐに非常口の位置を確認し、座席からの列数を数えておくことが推奨されています。
また脱出時は荷物を持たず、無駄な時間を使わないことが肝要とされています。
状況により安全な席は変わる
また、関西大学の名誉教授、阿部氏は、「事故のタイプによって安全な席は変わる」と指摘しています。
例えば、機首から地面に衝突した場合は後方が安全ですが、逆であれば前方が安全なケースもあるため、通路側を選ぶのがベストだとアドバイスしています。
最も重要なのは「心構えと行動」
すべての座席は国際的な安全基準に基づいて設計されていますが、専門家は口を揃えて言います。
命を救うのは「座席」ではなく、「準備と冷静な判断」です。
安全ビデオの内容を覚え、非常口を確認し、乗務員の指示に従うことが、最終的に生存を左右する最大の鍵なのだと言われています。