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もうすぐプラスチックごみが魚の数を超える?! 対策進む各国と「放置国家のタイ」。
- 2025/6/6
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まもなく世界のプラスチックごみが魚の数を上回る、そんなデータもあるようです。
世界環境デーにあたる6月5日、タイ環境学者ソンティ氏は、プラスチック汚染対策における各国の取り組みとタイの現状について比較し、「タイ政府は今も有効な対策を講じていない」と指摘しています。
今年の世界環境デーのテーマは「プラスチック汚染を終わらせよう(Putting an End to Plastic Pollution)」であり、特に使い捨てプラスチックへの対策が焦点です。
ソンティ氏は以下のように、実効性のある取り組みを行っている各国の事例を紹介しています。
プラスチック対策の国際事例
・ケニア:2017年9月1日より全てのビニール袋(持ち手付き・なし)を全面禁止
・フランス:2020年までに食品用プラスチック容器(トレイ、カップ、フォーク等)を禁止し、生分解性素材に切り替え
・ガンビア:2015年7月1日よりビニール袋の輸入・使用を全面禁止
・イギリス:2015年10月5日よりスーパーでのレジ袋に5ペンスの課税を導入
・カナダ:プラスチック袋に1枚5セントの料金を課し、再利用・返却で返金制度を導入(一部例外あり)
・日本:
「グリーン購入法」を制定し環境配慮製品の使用を推進
「ノープラスチックバッグデー」導入
リサイクル法で、消費者が持ち込んだ製品の再資源化を義務化
海水で数時間以内に分解する新素材のプラスチックを開発中
・台湾:
厚さ0.06mm以下のレジ袋と発泡スチロール容器の無償提供を禁止
違反時は66,000〜300,000台湾ドルの罰金
タイの現状
・年間70億枚以上、1日あたり2,000万枚以上のプラスチックを使用
・海洋プラスチックごみ排出国として世界ワースト10にランクイン
対策としては、長年「国民への呼びかけ・意識啓発」に留まっており、実効性のある政策や法律の整備は進んでいないと批判されています。
ソンティ氏は、「本気で問題を解決したいなら、国際的な動きに倣い、法整備と取り締まりを伴う具体的な対策が必要だ」と訴えています。
本誌が長年訴えていることと全く同じです。
本誌では、そのことを単的に「法治国家」ならぬ、「放置国家タイランド」と呼んでいます。
毎日搬出される屋台からの持ち帰り容器が、山のように積まれている姿をみると絶望とともに心が痛みます。