「バンコク銀行」2025年から外国人観光客の口座開設を全面禁止に。続発する金融詐欺対策の一環。

タイ最大の商業銀行であり創始者が華僑系のバンコク銀行は、2025年1月より一部の外国人を対象に銀行口座の新規開設および維持に関する規制を強化しました。
この方針転換は、金融詐欺対策の一環であり、長期ビザを持たない観光客や在住外国人に影響を及ぼしています。
一部では、口座の凍結や銀行サービスの制限が報告されているとのことです。

■主な変更点

・2025年1月以降、観光ビザでの新規口座開設は不可
国籍を問わず、観光ビザ保有者(Destination Thailand Visa〈DTV〉含む)は、新規口座開設ができません。
DTVは最長180日滞在可能な観光ビザですが、この規制の対象です。

・口座開設可能な外国人
長期の非移民ビザ(就労、留学、家族滞在など)
リタイアメントビザ(Oビザ)など
クレジットカードやモバイルバンキングの申請も同様の条件を適用

・既存の短期ビザ保有者の口座にも影響
2025年5月25日頃から口座凍結・カード停止が開始
特に、ロシア国籍者への影響が報告されている
対象者は銀行へ連絡の上、本人確認やビザの提示、顔認証などの生体認証を求められる可能性あり

■銀行の説明と背景

バンコク銀行広報によると、今回の措置は内部規制の強化によるものであり、マネーロンダリング、テロ資金供与、詐欺のリスク低減を目的としています。
特に外国人名義の口座が詐欺コールセンターによる違法送金に使われていた実例を受けての対応となっています。

銀行側は「すべての外国人口座を閉鎖するわけではない」と明言しています。
なお、長期ビザ保有者は影響を受けず、通常通りのサービスを利用可能とのことです。

■他銀行や政府の対応

2025年5月21日に、パタヤで不正口座開設に関与した銀行員4名が逮捕されるという事件が発生しました。
この事件では、中国系犯罪組織の資金洗浄に関与した疑いがもたれています。

このような事件を受け、タイ政府は新たなSIMカード登録規制など、金融犯罪対策をさらに強化中です。
他銀行(カシコン銀行、サイアム商業銀行、クルンタイ銀行)でも同様の規制導入が検討されているという報道もあります。

 

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