タイ国軍、燃料1万リットルが蒸発した? マヌケ答弁に国防相が真相解明を命令。不正疑惑たびたび。

5月23日、副首相兼国防大臣のプムタム氏は、タイ国軍が約1万リットルの燃料を「紛失」したとの報道を受けて、メディアに対して声明を発表しました。
彼は、過去にも同様の出来事があったと認めつつ、今後の再発を防ぐためには透明性と説明責任が不可欠だと語りました。

この出来事はバンコクで起きたとされていますが、どの軍の部門が関与しているのかは明らかにされていません。
「事実かどうかの結論はまだ出していないが、真相を明らかにする必要がある」と同氏は語りました。

燃料が「蒸発した」との話題がたびたび出ることについて問われると、プムタム氏は懐疑的な姿勢を示し、「燃料蒸発? 1万リットルも? 説明には合理性が必要だ。話は聞くが、調査は不可欠だ」と述べるにとどまりました。

「燃料1万リットルが蒸発」?国防大臣が真相究明を要求

問題が明るみに出たのは、ある大佐(元燃料課長)が民間の供給業者から9,000リットルの燃料を購入する発注書に署名していたことが発端でした。
この部隊はバンコクに拠点を置き、他の軍部隊への食料、衣類、燃料などの必需品を調達する役割を担っていました。
2万リットル規模の貯蔵タンクを複数所有し、小規模な給油施設も運営しています。

2023年11月9日付の文書には、「出先で行うセミナーのために」ガソホール95を3,000リットル、ガソホール91を6,000リットル、合計9,000リットルの燃料が緊急で必要と記載されており、翌11月10日の納入が求められていました。

しかし、ここでいくつかの「不審点」が浮上します。

・発注書に署名したのは燃料課ではなく、科学部門の責任者だった。
通常、こうしたセミナーには事前準備が伴うため、「緊急」かつ大量の注文は異例だった。
・発注書に署名した大佐は既に昇進しており、燃料調達の担当ではなかった。
・この購入には部隊の司令官の承認がなく、通常の調達手続きに違反していた。

過去の「蒸発」疑惑と再燃する不信感

軍関係者の情報によれば、2023年9月以前にも文書なしで燃料が何万リットルも出庫されていたという。
この問題は、その大佐が昇進し新たな燃料課長が引き継ぐ際の会議で発覚しました。
新課長が在庫の不一致を指摘したところ、大佐は「燃料は蒸発した」と返答したといいます。

不正の兆候が明らかであったにもかかわらず、正式な調査委員会は設置されず、部隊の最高責任者もこの件を認識していたといいます。

専門家は「蒸発説」を一蹴

石油・エネルギー分野の専門家たちは、蒸発という説明を否定しています。
給油中や高温下で少量のガソホールが揮発することはあっても、密閉された貯蔵タンクから大量に「蒸発」するのは事実上あり得ないといいます。

調査する気もなく不正を放置する体質があることは間違いなく、世界各国からもそのように見られいます。

 

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