タイ・コンドミニアム会長が答える10の質問。コンドミニアム市場の崩壊する? 耐震は?など。
- 2025/4/2
- 不動産情報

ミャンマーで発生したマグニチュード7.7の大地震により、バンコクにも揺れが及びました。
タイメディアの報道によりますと、バンコクには8階建ての低層ビルから40〜50階建ての超高層ビルまで、合計5,994棟の建物が存在すると言われています。
この地震の影響で、中国企業との合弁事業で建設中の国家監査局(SAO)の建物が倒壊し、マンション住民の間で不安が広がっています。
2025年のタイの高層ビル市場とコンドミニアム市場には、少なくとも二つの課題が持ち上がっています。
①建設中の国家監査局ビルの倒壊映像が世界中に拡散され、国際観光客を主要な経済原動力とするタイの観光イメージを損なわれた。
②住民の心理的影響が大きく、多くの人が恐怖からマンションを売却しようと考えている。
タイ・コンドミニアム協会会長、プラセート氏の見解
Q1 – 耐震について
プラセート氏は「COVID-19がタイの医療体制を試したように、今回の地震は高層ビルの耐震基準を試す機会となった」と述べました。
「タイの建物は世界最高水準の安全基準を満たしています。ガラス張りの高層ビルでさえ破損していません。確かに、軽微な損傷や内部の小さな問題は発生しましたが、検査と修理で対応可能です。もしいくつかの建物が3月28日に倒壊していたら、国全体が混乱していたでしょう」
2007年以降、タイは耐震建築に投資しており、その成果が今回の地震で証明されました。
「この成功を国際的に発信し、タイの建築技術を輸出すべきです。我々の建物は、大きな地震にも耐え得る長期的な投資価値を持っています」
目次
Q2 – 今年、コンドミニアム市場は崩壊するのか?
「全くその逆です。確かに、目に見えるひび割れや小さな損傷を不安に思う人もいるでしょう。
しかし、タイ国内で一人の命も失われていない事実を冷静に受け止めるべきです」
「2007年から厳格な建築基準が施行され、2009年と2021年に改訂されましたが、基本的な耐震基準は堅持されています」
Q3 – コンドミニアム協会は会員や開発業者とどう対応しているのか?
「各企業は迅速な対応策を講じています。第三者による安全評価を実施し、住民の信頼を回復するために中立の工学チームを導入しています。バンコク都庁(BMA)と公共事業省も建物検査を実施しています」
Q4 – 2007年以前に建設された建物の安全性は?
「2007年以前に建てられた建物も十分な強度を持っています。今回の地震で、これらの建物が大きな損傷を受けなかったことが証明されました。ただし、歴史的建造物や古い寺院などは耐震設計されていないため、文化財庁の対応が求められます」
Q5 – 高層ビルの耐震基準は?
「バンコク直下で震度7、地域によっては震度8程度に耐え得る設計です。タイは地震震源上に位置してなく、今回の地震でも建物は設計通り変形しつつも崩壊しませんでした」
Q6 – 地震後の対応策は?
「建築契約には、構造部品の2年保証、建物全体の5年保証が含まれています。
また、自然災害に対する保険も義務付けられています」
Q7 – 住民が取るべき対応は?
「冷静になることが重要です。法律で義務付けられた防災訓練が実際に役立ちました。今
回のような状況では、迅速な避難が可能であることが証明されました」
Q8 – 今後、地震早期警報システムは必要か?
「必要ありません。地震を事前に予測することは不可能です。
政府の役割は、迅速な情報提供にとどまります。今回も住民は冷静に避難しました」
Q9 – 今後も高層ビルに住む人はいるのか?
「2011年の洪水の際も、多くの人が住宅を放棄しようとしましたが、最終的には戻りました。
今回も同じです。冷静になれば、高層ビルの安全性を理解できるでしょう」
Q10 – 外国人投資家への影響は?
「現在、国家監査局ビルの崩壊映像のみが国際的に報道されています。
CNNもその映像を繰り返し放送しています。しかし、バンコクの超高層ビルが1棟も倒壊しなかった事実を正しく伝える必要があります」
まとめ
今回の地震による被害は比較的小さく、構造的な問題は発生していません。
タイの建築基準は世界的に見ても優れたものであり、長期的な安全性を確保しています。
冷静に対処し、信頼回復に努めることが重要です。
コンドミニアム協会の回答なのである程度バイアスのかかったものではありますが、半分正解半分疑問といったところでしょうか。
タイで不動産業に15年、日本でも不動産業に関わってきた私の見解を中立な立場で述べてみます。
先ず今回の地震は大地震ではないので、逆にこの規模の揺れ(今回は特殊な波動の部分も考慮すべき)でこれだけの破損が生じるのかという側面があります。
もう震度1,2分強かったらどうなったか?という点です。
またSNSなどではしきりに「古い物件は丈夫で安全、新しい物件に被害が集中」といった内容が拡散されていますが、これも少し的がずれているかと思います。
古い物件は割りとデザイン性に凝った建物が少なく、しっかりとした形状の建物であることも被害が少なかった原因だと思われます。
最近の物件はやたらデザインに凝った物件や天井が異常なほど高い物件などが増え、どうしても負荷がかかりやすい造りになっているので、被害が出やすかったという側面があるかと思います。
使っている建材は明らかに最近のものの方が良くなっており、(もちろん違法性のあるような安普請物件は除く)SNSなどで散見する「築浅物件は利益を追求するあまり安普請」というは全くの間違いです。
まあいずれにせよ、しばらくは風評被害もあり高層物件への客足は遠のくのは間違いありません。
コンドミニアム協会もそれを必死に止めるべく大ぶろしきを広げていますが、広げたところで次に来る地震は来世の人々である可能性が高いので責任を背負うことはないということでしょう。