ペッチャブリー県、世界遺産の森で「ウンピョウ」の親子を撮影。絶滅危惧種の生息保護・調査を強化。

3月21日、ペッチャブリー県のケーンクラチャン国立公園で、自動撮影カメラが絶滅危惧種「ウンピョウ(雲豹)」の親子を捉えました。

2025年1月初旬、学術チームと国立公園第4管理局の職員が自動撮影カメラを設置しました。
これは、地元住民から「野生のバンテン(วัวแดง)が目撃された」との報告を受け、その行動を調査するためでした。

しかし1月30日、予想外の発見がありました。
それが、ウンピョウの母親と生後6~8か月ほどの子どもが並んで歩く姿でした。

ベンガルヤマネコの生態と保護状況

ウンピョウ(雲豹)は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種(VU)に分類される希少な肉食獣です。
タイ国内の推定個体数は200頭以下とされており、その生息確認は極めて貴重な記録となります。

この発見は、ケーンクラチャン国立公園が絶滅危惧種の繁殖地として機能していることを示唆しており、公園の自然環境が依然として豊かである証拠です。

◆ウンピョウの特徴

・体長:約90~110cm
・体重:約15~20kg
・特徴的な雲のような模様の斑点を持つ
・木登りが非常に得意で、樹上での狩猟も行う
・主な獲物はサル、リス、鳥、小~中型哺乳類

ケーンクラチャン国立公園はタイ最大の森林地帯(面積約2.9万平方キロメートル)を擁し、2021年にはユネスコ世界自然遺産に登録されました。
今回の調査では、イノシシ、シカ、ジャコウネコなど多様な野生動物の生息も確認されており、エコシステムの健全性を示す重要なデータとなりました。

今後のさらなる調査により、タイの貴重な野生動物の保護が進むことが期待されます。

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