タイ人の心の中を覗くと、きっと幻滅してしまうことでしょう。
その心の声が、たまに表に出てきてしまいます。
タイ・パトゥムターニー県の有名校の教師が、生徒に対して「これが書けないなら、母親と屋台で物売りでもしてろ!」と発言し、生徒が深く傷ついたという出来事がネット界隈で拡散されています。
1月30日、フェイスブックページで、ある保護者から寄せられたエピソードを紹介されていました。
保護者によりますと、子どもは学校から帰宅後、突然「学校を辞めたい」と言い出したと言います。
理由を尋ねても最初は話そうとしませんでしたが、しばらくして泣きながら次のように打ち明けました。
「先生に『字が書けないなら、母親と物売りでもしてろ!』って言われた」
この発言は、生徒があるタイ語が書けなかったことを理由に、教師が侮辱的な言葉を投げかけたというものでした。
その後、子どもは泣きながら母親に問いかけた。
「お母さんの仕事って悪いことなの?」
この言葉を聞いた母親は、胸が詰まる思いだったといいます。
タイに根付く「貧しい家庭」への偏見
この子どもは以前から 「お前の家は、貧しいもの売りだ」とクラスメートにからかわれた経験を持っていました。
しかし、その時は母親が「全うな仕事をしていることは恥ずかしいことではない」と教え、子ども納得していました。
だが、今回は教師が発した言葉であり、教育者として生徒を導くべき立場の人物が率先して、子どもを傷つけるような言葉を発したことに母親は強い疑問を抱いています。
また、他の保護者からも 「この教師に同じようなことを言われたことがある」 という声が寄せられており、教師の態度が長年問題視されていた可能性があります。
母親は現在、「子どもが学校へ行きたがらなくなってしまった」 という問題に直面しています。
「変わるべきなのは子どもなのか、それとも教師なのか?」
この出来事は、タイ社会における職業差別や教育現場でのハラスメント問題を浮き彫りにし、多くの議論を呼んでいます。