両国に緊張走る。ラノーン県沖で、ミャンマー軍艦がタイ漁船を攻撃。船員は避難も漁船は拿捕。

11月30日、タイ南部ラノーン県沖でミャンマーの軍艦3隻がタイの漁船を襲撃し、銃撃を加える事件が発生しました。
漁船はタイ領海内で操業中でしたが、急襲を受けて緊迫した状況に陥り、一部の船員は海に飛び込んで避難する事態に発展しました。

ラノーン県沖のパヤーム島の西約5海里(約9km)にて、50隻ほどのタイ漁船が夜間の漁業活動を行っていました。
その際、ミャンマー軍艦3隻がタイ領海内に侵入し、銃撃を加えながら漁船を追撃してきました。
漁船は網を切り捨てて全速力で逃走を図り、パヤーム島付近にいたタイ海軍の警備船に救助を要請しました。

一部の漁船は逃走に成功しましたが、以下の船が攻撃を受けています。

●ドアンタウィーポン333号チャルーンチャイ8号
ミャンマー軍艦に捕捉され、乗組員は海に飛び込み避難。
その後、船はミャンマー側に曳航されました。

●マハーラープタナワット4号
軍艦から激しい銃撃を受け、船長(47歳)は銃弾が頭部をかすめ負傷。
血まみれの状態で船を操縦しながら、危険を冒してタイ領海に戻ることに成功しました。

他に、ミャンマー人船員1名が船内で感電しています。

負傷者2名は救急車でラノーン県立病院に搬送され、現在治療を受けています。

事件を受けて、タイ海軍とタイ・ミャンマー国境海上調整センター(ศปชล.ทม.)が現場に派遣され、ミャンマー側に対して正式な抗議を行うとともに、漁船の返還を求める交渉を開始しました。
また、事件の詳細な経緯について調査を進めています。

この海域ではタイとミャンマーの領海が接近しており、漁業活動中に国境を越えるケースがしばしば見られます。
これまで両国間の関係は良好とされてきましたが、今回の事件により、国境地帯での緊張が高まる可能性があります。

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