タイのニュースメディアを賑わせる巨大ねずみ講事件「The iCon」。広告塔を務めた有名人らはどうなる?は

タイのニュースメディアを連日にぎわせている巨大ねずみ講事件「The iCon」について、これまでにいきさつを一度まとめてお伝えします。

The iCon Groupは、セレブやインフルエンサーが「ボス」としてオンライン商品販売を促進するといういわゆるねずみ講商法ですが、ここ最近、被害者たちからの苦情が急激に増え、タイ国内で大規模な問題に発展しました。

この事件は、チャンネル3の人気ニュース番組「ホーンカセー」でも取り上げられ、全国規模の問題へと発展しました。
数百人の被害者が、The iCon Groupがポンジ・スキーム(詐欺的投資手法)を行っていると訴えています。
彼らは大量の美容製品や日用品を購入させられたものの、実際には需要が少なく、ビジネスの成功は商品を売ることよりも、他の人を投資ネットワークに勧誘することに依存していたと主張しています。

特に社会を驚かせたのは、セレブや富裕層のイメージを信じ、次第に財産を失った人々の中には自殺を試みたり、亡くなったりした人もいることです。

The iCon GroupのCEOである「ボス・ポール」ことワラットポーン・ワラット ウォラクンは、「10年の無駄な努力では成功できない」というキャッチフレーズを掲げ、巨大なオンラインビジネスを築きました。
彼はバンコクの貧困地区で母親と共に育ち、自分で学費を稼ぎ、ビジネスを始めたことを語り、2018年にThe iCon Groupを設立、2021年には50億バーツ以上の売り上げを達成しました。

ゴリゴリの整形顔。

 

この被害の拡大により、新任のタイ警察長官キッティラットは、全容解明のための捜査を命じました。
また消費者保護機関を管轄するジラポーン大臣も、10月11日に緊急会議を開き、この件を取り上げています。

翌日、消費者保護局(OCPB)と警察は、バンコクのThe iCon Group本社やその関連施設に踏み込み、証拠を押収しました。
特に、パトゥムタニー県にある倉庫では、7000万バーツの資産に対して、実際の商品や従業員が非常に少なかったことが確認されています。(実態がない)

一方、このビジネスに関与したセレブリティたち、サム・ユラノン(Sam Yuranunt Pamornmontri、ยุรนันท์ ภมรมนตรี)、ボーイ・パコーン(Boy Pakorn Chatborirak、ปกรณ์ ฉัตรบริรักษ์)、ミン・ピーチャヤ(Min Peechaya Wattanamontree、พีชญา วัฒนามนตรี)、カン・カンタタウォーン(Kan Kantathavorn、กันต์ กันตถาวร)は、自身が単なる宣伝役であり、パートナーではないと弁明し、多くの人々に被害が出たことを遺憾に思っているとコメントしています。

現在、被害者数は800人以上、総被害額は2億6600万バーツに達しています。
もし被害額が3億バーツに達した場合、この事件はDSI警察による特別捜査に昇格すると伝えられています。

現在、ボス・ポールを含むThe iCon Groupの6人の幹部や有名人は容疑者として捜査されています。

今回の「The iCon Group」事件は、かつての「メー・タックとパー・ビア」の金詐欺事件と似ており、多くのセレブリティやインフルエンサーが詐欺的なビジネスに関与し、被害を拡大させた点で共通していると言われています。

「メー・タックとパー・ビア」の金詐欺事件

 

日本ではこのような事件があった際、当たり前のように関与した有名人らは仕事を干されたり、CMやアンバサダーを務める企業から賠償金の請求が行われますが、タイの場合、どうでしょうか。

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