タイのインターナショナルスクール産業、年間1,000億バーツ規模に。超少子高齢化の中、なぜ?

タイ国際学校協会(ISAT)によりますと、タイのインターナショナルスクール産業は年間1,000億バーツと評価されており、その成長率はバンコクでは100%を超え、その他の地域では10%から50%の範囲で高成長となっています。

タイは超少子高齢化社会が訪れると言われるほど、出生率の低下が社会問題化していますが、インターナショナルスクール事業はこの傾向を大きく反転させています。

2014年、タイには154のインターナショナルスクールがあり、生徒数は43,467人でした。
2021 年までにインターナショナルスクールの数は222校に増加し、生徒数は56,474人となっていました。

この成長により、毎年平均5~10校の新しいインターナショナルスクールが誕生しています。

さらに2023年には、234のインターナショナルスクールがあるとレポートされています。
ほとんどはバンコクとその周辺地域(122校)に集中しており、チェンマイ(20)、チョンブリー (13)、プーケット (12)、サムットプラカーン (10)、スラータニー (7)、ノンタブリー(?)などがあげられます。

2024 学年度に向けて、バンコク、チョンブリー、チェンマイ、プーケット、スラータニーなどで新たなインターナショナルスクールが開校すると言われています。

タイの学生の学力低下が、国会で取り上げられるほど顕著となっている中、タイのインターナショナルスクールは何故これほど人気を集めているのでしょうか?

タイの学生の学力低下が問題に。過去10年間で標準以下。科学、数学、読解力で顕著。ベトナム、マレーシアよりも下位。

その理由は、少子化にあると言います。
かつて大家族だった家庭に少子化で子供が少なくなり、子供に集中的に学費をかけられるようになり、
インターナショナルスクールを好む傾向が高まっているのだとタイメディアは分析しています。

インターナショナルスクールの方が、子供たちに質の高い教育を受けさせられ、グローバル化した世界で競争力を獲得する最良の機会が得られると信じられているからです。

タイ銀行は、2,500万バーツ以上を保有する預金口座が年間7.72%増加していると発表しています。
これは、タイのインターナショナルスクールの重要なターゲットグループであるタイ人富裕層の数が増加していることを反映していると言われています。

また高収入の外国人の流入も理由の一つです。
2014年の9万9,658人から2021年には13万7,778人へと大幅に増加しています。
これらの外国人は、家族とともに転居し高い教育を受けることを希望
することが多いため、この増加に対応してインターナショナルスクール入学者数も増加しています。

これらすべての理由から、たとえタイの出生率の数が減少している中でも、タイのインターナショナルスクール事業が繁栄していることは驚くべきことではないと締めくくっています。

ただ急速な増加は、学校側でも先生やスタッフの質の低下やサービスの低下を招きます。
また選択肢が多い分、何をもって良しとするかは非常に迷うところです。
日本の場合は、東大に何人卒業生を出しているかなどが指針となっていますが、インターナショナルスクール、特に新設の学校は、主張されていることが本当に履行されているのか、事実なのかは確認のしようがありません。
私などは、セミナーなどで薦められているようなところは、どうしても斜に構えてしまいますね、タイに住んでいると特に。

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